みかわのくにえず

　「三河国絵図」は，江戸幕府が諸大名に命じて調進させた国ごとの絵図で，慶長10（1605）年，正保元（1644）年，元禄9（1696）年，天保6（1835）年の4度その作成を命じられた。「三河国絵図」では，「慶長国絵図」は原本・写ともその存在が確認されていない。「正保国絵図」，「元禄国絵図」は下図・控と考えられる絵図が現存する。唯一「天保国絵図」のみが国立公文書館に現存する。

　「天保国絵図」は，縮尺約2万1600分の1で，山，川，道路などが描かれ，街道を挟む形で一里塚が黒丸で描かれている。郡別に色分けされた楕円形の枠内に村名と石高が，白四角で示された城下町には地名と城主の名前が記されている。大きさは東西385㎝×南北444㎝である。江戸時代も後期になると，民間で版行した国絵図が出版・販売されるようになる。「三河国絵図」では，寛保元（1741）年刊行の「懐玉三河州地理図鑑」（内題：三州八郡地理之図）や，天保8（1837）年の「参河国全図」などがあるがいずれも携帯できるように折りたたみができる小型の物である。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。

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