豊橋市議の長坂です。
8月12日、豊橋市では3例の感染が公表されました。
200812_corona_pt
https://www.city.toyohashi.lg.jp/41805.htm より作成



さて、ヤフー・ニュースで6月に掲載されたこの記事について、
2019年に全国で最も転出超過となったのは、▲3,534人の小山市(栃木県)だった。次いで、▲3,272人の成田市(千葉県)、▲2,887人の長崎市、▲2,841人の取手市(茨城県)、▲2,569人の福山市(広島市)、▲2,525人の豊橋市(愛知県)、▲2,373人の古河市(茨城県)、▲2,305人の北九州市(福岡県)、▲2,200人の羽島市(岐阜県)、▲1,989人の岡山市と続く
豊橋市は、小山市・成田市・長崎市・取手市・福山市に続く、全国ワースト6位、旨が記されていました。

しかし、その後いろいろ調べてみると、この統計や分析には、大きな穴がありました。
本当は「転入超過(社会増)」であった、豊橋市の名誉のためにも、記させていただきます。



まず、上記記事が参考にされた元の統計「住民基本台帳人口移動報告(以下、移動報告)」は、国内での移動だけが記されており、日本⇔海外の移動は数に含まれていません
用語の解説 > 移動者

市区町村(区とは,東京都特別区部及び政令指定都市の区をいう。以下同じ。)の境界を越えて,日本国内で住所を移した者をいう。
https://www.stat.go.jp/data/idou/2.html 
豊橋市は、海外(国外)からの転入者が多い一方、海外への転出者はとても少ないことがわかりました。

それは、8月5日に公開された統計資料「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(以下、人口調査)」でわかります。

具体的には、豊橋市の場合、
  • 海外⇒豊橋(国外からの転入者):(+)5,405人
  • 豊橋⇒海外(国外への転出者):(-)1,367人
で、差し引き(+)4,038人分の「増加」が反映されておりません。

これらが反映された上記の人口調査において、国外との移動を含めた社会増減で豊橋市は967人のプラス(社会増)であり、これは統計にある1748市区町村の中で75位と、上位5%に入ります。



では、どうして豊橋市において調査の違いによる大きな差が生じてしまったのか。

これは、国外⇒豊橋市(短期滞在)⇒豊橋市外(国内)、という転入出をされている方が多いからです。
これは主として、海外からいらっしゃる技能実習生の方々です。

豊橋市内に技能実習生の方々が日本語を学習する施設があります。
海外からの技能実習生方が、ここへ年間約2,000人いらっしゃり、豊橋に短期間滞在し、
そのときに一度豊橋に転入され、その後、全国(豊橋市外)へ転出されている、
ということを、豊橋市役所を通じて、確認ができました。

この方たちは、ヤフー・ニュースの元になった報告では、
豊橋市への転入(海外から)はカウントされず、
その後の豊橋市外(国内)への移動のみがカウントされ、そのまま純減となってしまいます。



豊橋市だけでありません。

ヤフーニュースの記事で「ワースト10」となっている自治体について、海外との転出入を含む新たな人口調査と比べると、10自治体のうち、豊橋市を含む6市で実際はプラス(社会増)であることがわかりました。

また、残る4市のうち長崎市を除く3市でも減少数は小さくなり、全体(長崎市除く)では、1,593人(北九州市)~3,907人(小山市)も、差がありました。
  1. ▲3,534人⇒ +373人 小山市(栃木県)
  2. ▲3,272人⇒ ▲503人 成田市(千葉県)
  3. ▲2,887人⇒ ▲2,932人 長崎市(長崎県)
  4. ▲2,841人⇒ +266人 取手市(茨城県)
  5. ▲2,569人⇒ +411人 福山市(広島市)
  6. ▲2,525人⇒ +967人 豊橋市(愛知県)
  7. ▲2,373人⇒ ▲36人 古河市(茨城県)
  8. ▲2,305人⇒ ▲712人 北九州市(福岡県)
  9. ▲2,200人⇒ +95人 羽島市(岐阜県)
  10. ▲1,989人⇒ +999人 岡山市(岡山県)
ヤフーニュースで記事のタイトルに挙げられている11位の新宿区も、▲1,827人⇒ +2,511人です。



今回のことを通しての学びは、改めて元の調査結果を確認することの大切さです。

本件について、豊橋市長を目指そうとされる方が、
このような元データを確認せずか、把握した上でかわかりませんが、

「早急に手を打たなければ」

と言及されています。

把握した上で、まさか「早急に手を打つ」が、
上記のような技能実習生方々の移動を排除する、
ということでは、さすがにないでしょう。

手を打つ前に、まずは冷静に、適切な状況把握が、
市長に必要な資質でないでしょうか。



正直に申すと、これは私自身で気づいたのでありません。
先のヤフー・ニュース記事を「残念な話」として
「強く危機感を持っていただければ」と、市の担当課職員に共有しました。

市職員が分析の上、海外との転出入がないこととその影響の可能性に気づき、
今回新たに「人口調査」が公開されたため、私の分析と併せて、記しました。

私自身、市政(市長)を厳しくチェックし、時には批判する立場である一方、
必要以上に豊橋市が低く評価されたり、職員の尽力や成果が適切に認められないことは、望みません。
豊橋市の名誉を守り、市職員に報いることも、私の職務であると考えています。

(関連記事)
2019年、市町村別人口増減ランキング。大阪市が自然減1位。しかし社会増効果で全体では増1位の怪。
http://nagasakanaoto.blog.jp/200810.html 
では!