豊橋市議の長坂です。
佐原市長の退職金、3142万円(1期4年分)。

さて、市議会での一般質問が終わりました。
注目いただいていた、佐原氏所有の土地や物件に関し、所有者に支払われる金額について、
個人情報」を理由に、明かすことはありませんでした。

現在、ユニチカ跡地近くを走る道路(弥生町線)の拡幅工事に伴い、
道路沿いの土地に対して、豊橋市による用地買収が進んでいます。

佐原市長の住所が、この道路沿いであることは、
豊橋市サイトにも掲載されている選挙の記録(立候補届の情報)などから明らかになっています。



「豊橋市の用地買収が、佐原氏に対しても公平公正に行われているか確認したい」旨を聞いても、
― 議員でご判断ください。

しかし「判断材料となる、数的な情報を」と聞いても、
何の数的情報も示されませんでした。

これでは、市民からの疑問に答えていると言えず、公正公平か不明なままです。



一方、多少の情報を得ることもできました。

まず、現在進められている用地買収につながる道路整備は、
平成23年2月時点では事業化の予定がされておらず
ユニチカ跡地の売却・開発をきっかけに進んだ、ということ。

そして、平成29・30年度での弥生町線ための用地買収は合計で、
  • 面積:664.69平米(平方メートル)
  • 金額:65,729,783円
ということでした。
計算すると、1平米あたり約10万円(9万8888円)です。

土地の登記情報から、佐原氏住所の東西両側の土地は、既に用地買収が済み市有地となっていることが確認できました。その面積は、
  • 東側(間に道路を挟む):85平米
  • 西側:84.17平米
であるため、先ほどの1平米あたりの金額をかければ、これら土地への買収金額の推計はできます。

これら土地に挟まれた、佐原氏所有の土地への金額はいくらになるのでしょうか。



支払われる金額は、買収される土地への対価だけでありません。
土地に建物などの物件がある場合、補償費も支払われることになります。

この補償費については、先ほどの土地代と違い、
「契約者の個々の補償額が類推される恐れがある」旨を理由に、
平成29・30年度の件数や合計金額も、答えませんでした。

そこで、

参考になりそうな数字を求め、資料を探すと、平成29年度・30年度の決算資料にこんな数字がありました。

弥生町線整備事業費を含む、幹線道路整備費(8款1項3目)にて、
17節 公有財産購入費」と、「22節 補償、補填及び賠償費」という項目があります。

この2つの支出済額を比較すると2年分で、
  • 17節 公有財産購入費: 1億6338万6252円
  • 22節 補償、補填及び賠償費: 1億8295万6503円 
その割合は、17節(公有財産購入費)100(円)に対し、22節(補償、補填及び賠償費)は112(円)となっていました。

但し、土地代は全ての土地が対象の一方、補償費は、元の土地が畑など補償する物件のない土地であればれば、補償費もなかったり、とても低かったりするということです。



一般論ですが、道路工事が予定されている土地を購入したり、そこに建物を建てることにについて。

弥生町線は、昭和に「都市計画決定」という決定がされた「都市計画道路」です。
この道路の計画にかかっている土地は「都市計画道路予定地」となり、土地を売買する際、仲介する宅建事業者の「重要事項説明義務」に該当します。

また、その土地に建物を建てる際には、特別な申請(都市計画法第53条)が必要です。
従って、都市計画道路予定地を含む土地を購入したり、そこに家を建てる者が、そこが道路予定地であることを「全く知らない」ということは、稀に思われます。

実際に佐原氏住所の西側土地にある建物は、道路から十分に距離があり、建物はそのままに土地の買収がされた様子です。
しかし、それより後に建てられた当該住所の建物は、登記情報などを見ても・・・



佐原市長は、SDGsや持続可能性、ごみの削減などに非常にご熱心な御仁です。
築10年程度で、建物を解体してしまうとしたら、何を思われるのでしょう。

では。


(参考)
選挙の記録(豊橋市選挙管理委員会事務局)
http://www.city.toyohashi.lg.jp/6601.htm 
決算書・決算付属書(豊橋市)
http://www.city.toyohashi.lg.jp/6163.htm 
登記情報提供サービス(有料)
https://www1.touki.or.jp/