豊橋市議の長坂です。

平成31年3月27日、豊橋市議会3月定例会が、無事に終わりました。
これで、4年の任期中の議会は全て終わりました。

4月の決戦に向けて、ほっと一息も束の間、
そんなことに思っていたとき、1通のメールが。
議員 様

このことについて、添付ファイルのとおり報告がありましたので、お知らせいたします。

1 カバの大吉(だいきち)が亡くなりました
「えーーーーーーっっ!!!!!」

エレベーターホールでメールを見て、思わず叫んでしまいました。
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本園の主役として、長い間、活躍してくれたカバの「大吉」が3月27日(水)早朝に亡くなりました。

「大吉」は3月初旬から徐々に食欲がなくなり、懸命な治療を行いましたが、残念ながら回復しませんでした。高齢による老衰とみられ、苦しむことなく、眠るように旅立ちました。

約半世紀の長きにわたり、その大きな巨体と、大きな口を開けるパフォーマンスで、本園を支え、多くの人々に愛された大吉でした。いままで「大吉」を応援いただき、本当にありがとうございました。

1.「大吉」について
1974年5月9日 仙台市八木山動物園生まれ
1975年11月1日 当園へ来園
死亡時 44歳、「ダイキチ」は国内のカバの雄としては2番目に高齢で、雄雌合わせても3番目に高齢でした。


2.献花台の設置・お別れ会
3月28日(木)から4月7日(日)の間、カバ舎にて献花台を設置します。
お別れ会を3月30日(土)午後1時からカバ舎前で開催します。

3.当園の飼育状況
「サツキ」雌1989年5月25日 当園生まれ(ダイキチの娘)
「ミ ネ」雌1990年5月2日   日立市立かみね動物園生まれ

4.国内での飼育数:26園館で49頭(雄23頭、雌26頭)2017年12月31日現在


ぼくはカバが好きです。

キリンさんより、ライオンさんより、ゾウさんより、カバが好きです。

なぜカバが好きなのか、と聞かれても困る。
けれども、たぶん小さい頃に、おばあちゃんのうちにあった数少ない絵本がカバの本で、何度も何度も読んだこと。

何度も何度も読んだはずなのに、もう今は絵本のタイトルも思い出せない。
ただ、物語的というよりは、図鑑的にカバの生態が書かれた本だった気がする。

そして、この絵本も好きだった。


あと小さい頃からスイミングをやっていた。

スイミングをやっていたことと、カバが好きなことがどう結びつくのか、と聞かれても困る。
でもなんか、スイミングをしているぼくと、カバとに親近感を抱いていたのかもしれない。
「カバ泳ぎ」とかあるし(ある?)



小さい頃から、たびたび「豊橋動物園」に連れて行ってもらったこともあり、
学生のときにはガラパゴスに行ってしまうほどになった。

今でも当時の動物園のルートは、なんとなく覚えている。
(新年度で、旧動物園時代の最後の(?)獣舎であるライオン舎がリニューアルするんで、当時のルートを辿るのも、だいぶ難しくなりそうですが)

ニホンザルとペンギンの先に、カバがいた、気がする。

子ども心にカバの魅力が何だったか思い出してみると、それは「全然出てこないこと」だったと思う。
いつ行っても、ずぅぅぅぅぅっっと、水の中にいて全然出てこない。

息をするのに、鼻先がちょっと水面に出たり、目がちょっと見えるだけで、すごく嬉しかった。
だから、ずっとずっとカバを見ていた。また出てこないか、また出てこないか、って。

ちょっと成長したある日、カバが陸に上がっているのを見て、全身が見れて、大興奮した。
そのとき大吉は、うんちをしていた、気がする。



そんな感じで動物観察好きに育った僕は、小学校4年生か5年生か、
動物園主催の夏休みのこどもスクール、みたいなのに応募して、参加した。

ゾウの毛が針金のようでびっくりしたり、クマに鉄柵越しにクッキーをあげて怖かったり、
ダチョウが近くで見たらめちゃめちゃ大きくて驚いたり、2本指なことを知ったりした。

そのとき、カバの大吉の口の中もしっかり見せてもらった。
「はみがき」と、ホースで水をかけさせてもらった気もする。

大興奮な瞬間だった。



小学校6年生の夏休み自由研究で、1日カバの観察をすることに決めた。
何回顔を出すとか、そんなことを数えたりしていた気がする。

それだけでは、スケッチブックが埋まらないので、
結局、今で言う「コピペ」をいろんな図鑑からした。

親が理系なこともあり、小4や小5の自由研究で、
「ペーパークロマトグラフィ」とかやってた、今思えば「らしくない」小学生だった。
そういう自由研究は、賞をもらったりしていた。

小6のカバの自由研究は、そんな賞の箸にも棒にも引っかからなかった。
でも、この自由研究は、一番の思い出で、たぶんはじめて
「自分が調べたいものを調べた」心の中の大切な宝物になっている、と思う。



そんなわけで、カバの大吉が死んで、ぼくはとても悲しい。

動物園の中で、唯一、個体認識していた(名前を覚えていた)のが、大吉だ。

大吉、今までありがとう。
天国でも元気でいてね。

と、きれいな言葉でまとめる気にもなれない。

最後にもう一度、
「これで、大吉を見られるのは最後かもしれない」
そういう気持ちで、大吉を見たかった。

お礼の気持ちを込めて、深く頭を下げたかった。
後悔。

では。