豊橋市議の長坂です。
ゼビオと聞くと、しまうまが頭に浮かびます(ゼブラ)。

さて、豊橋市議会で新アリーナに関する議論が、10月16日にありました。
1テーマについて4時間に迫る議論は、ぼくが議員になって初めてではないかと。

質問は100を超えたようで、答弁する担当職員はさながら千本ノックの様相でした。
論点は様々、かつ広い範囲に渡りましたが、今回は、今後重要点になるであろう大きな課題について、お伝えします。



今回、協議対象者と決まったゼビオグループのクロススポーツマーケティング社(以下、XSM社)からは、新アリーナの整備・運営について次のような提案がされています。
http://www.city.toyohashi.lg.jp/item/61558.htm
  • XSM社が、自社負担で施設本体を整備(約50億円)
  • 整備した施設本体を、豊橋市に移管(無償譲渡)
  • 豊橋市は年185日分の利用料(年2億円、30年分60億円)をXSM社に支払う
ここでひとつの矛盾が出ています。
移管して、豊橋市が所有する施設に、どうして豊橋市が利用料を払うのか」
ということです。

普通はこのどちらかのパターンです。
  • 民間施設(引き続きXSM社が施設を所有)に、豊橋市が利用料を払う
  • 公有施設(豊橋市が施設を所有)の運営を民間事業者に任せる(委託・指定管理など)
ここで出てくるのは、どうしてXSM社は自社負担(約50億円)で整備する施設を、豊橋市に無償譲渡するのか、ということです。



豊橋市目線で見た場合、民間が所有する場合と、市が所有する場合で、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。

民間が所有する場合
  • メリット:固定資産税が得られる
  • デメリット:事業者判断で第3者への売却可能性(急に施設が使えなくなる可能性)がある
豊橋市が所有する場合
  • メリット:施設利用の主導権が得られる
  • デメリット:施設の安全・運営の責任や、長期の維持管理費・解体費が発生する
つまり、事業者目線で見たときには、市が所有すると固定資産税の負担がなくなったり、施設運営の最終的な責任や施設廃止時の解体費がなくなるメリットがあります。

ただ、今回の場合、上記の理由以上に豊橋市の所有≒公共施設、としないといけない理由があります。
それは、候補予定地である、豊橋公園(都市公園)には、原則「公共施設」しか建てられない、ということです。

現在、国で規制緩和を進めており、一部の民間施設(カフェなど)を公園内に設置する可能性を広げています。しかし「アリーナ」レベルの大規模施設になると、なかなか困難です。

それをクリアするために、施設を豊橋市の所有(≒公共施設)とする一方、施設運営を自社(XSM社)で担おうとしているため、「豊橋市が市有施設の利用料を支払う」という、いびつな提案となっています。



この点について、議会で質したところ、
「今後の協議で、現行法制度の中で課題をクリアできるようにしていく」
旨の答弁をいただいたので、今後どのように課題が整理されるのかを注視しています。

豊橋公園は国有地であり、且つ「スタジアム・アリーナ改革」が国が推進しており、民間事業者(XSM社)が自己負担で整備くださると言うことなので、いっそ「国立アリーナ」としてもらうことや、31年目以降の施設維持費や解体費が将来の豊橋市民の負担とならないよう「当初から30年で廃止」計画での整備などを提案しました。



また、都市公園内での施設整備については、他にも課題があり、これについては既にH28の豊橋市調査にて整理されているので、再掲します。
180226_008s
 - 新アリーナを「つくれない」豊橋公園。法律を超えられるか? - 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/180226.html
議会での4時間近い議論もこちらでご覧いただけます。
https://youtu.be/P9EhNNaCnkI?t=2385
(長坂パート頭出し済 -39:45頃から)

豊田一雄委員の切り込みっぷり(2:59:23頃から)や、
近藤喜典委員の1時間以上に渡る無双っぷり(1:25:22頃から)は、勉強になりました。

お二方とも、佐原市長支持の自民党議員にも関わらず、
この攻め姿勢は、新アリーナにいかに懸念点が多いということか。

では!