豊橋市議の長坂です。
だいぶ前に株を購入して懲りた経験があります。

さて、この記事はVALU(というサービス)を推奨するものではありません
僕自身VALU(バリュー)に興味があり、未来を感じる一方で、
他人に奨められるほどの知識もなければ、
まだVALU自体の社会的評価が確立されているとも考えません。

その上で、以下をお読みください。



衝撃的なニュースが飛び込んできました。
麻生金融相、VALUでの資金調達「保護と育成の両方を考える必要」:日本経済新聞 

麻生太郎財務・金融相は15日午前の閣議後の記者会見で、個人が「VALU」と呼ばれる会社の株式に似せたものを発行して資金調達する動きが広がっていることに関し「消費者保護と新しいものを育てることの両方を考える必要がある」との見解を述べた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL15HAT_V10C17A8000000/
このニュースがどのくらい衝撃的かと言うと、
ホリエモンこと堀江社長(当時)のライブドア社が「放送と通信の融合」を掲げ、
2005年にニッポン放送の株を買い始めたとき、
放送・通信事業を管轄する総務省の大臣が、
「放送と通信の融合?いいじゃない」と発言するくらいの衝撃です。

海のものとも山のものともまだわからないVALUという新しいサービス事業に、
関係深い省庁の大臣が前向きと捉えられる発言をした、
それだけで衝撃的です。



では、VALUというのはどのようなサービスなのか。
少し調べて、僕なりにまとめてみました。

VALUは、株式会社VALUが提供している新しいサービスであり、
VALU公式サイトでは、自社サービスを次のように説明しています。
だれでも、株式会社のように、あなたの価値をトレード。ビットコインを用いたマイクロトレードサービスです。
https://valu.is/
すごくシンプルに説明を試みます。

例えば、ぼくがVALUに登録申請をします。
すると、VALU社がフェイスブックやツイッター、インスタグラムといった
SNSでの僕のつながりから、僕の価値を決めます。

仮に、ぼくには200万円という価値が付けられたとします。
ぼくはその200万円をVALU(単位はVA)という
株式のようなものに分割して、売ることができます。

仮に1000VAに分割すると決めたら、
200万円/1000VAで、1VAが2000円になります。

もしぼくのVALUが3VA売れたら、
ぼくには6000円が手に入ります。

実際には、途中で手数料が取られたり、
(この手数料がVALU社の売上になります)
市場の動向で価格は固定的でなく上下しますが、
およそのイメージはこんな感じです。



様々な法規制の関係もあり、
実際に現金で直接、他人のVALUを買うことはできません。

仮想通貨として有名になりつつあるビットコイン(単位はBTC)
を仲立ちにして取り引きが発生します。つまり、

現金⇔(BTC市場)⇔BTC⇔(VA市場)⇔VA

という形になっています。



先ほど、仮にVALU社が200万円という価値を付けたとしました。
しかし、これは暫定値であり変動します。

例えば、ぼくが3VAを販売してみたら、予想以上にたくさん、
ぼくのVALUを買いたいという人がいて、
結果として、1VAが2000円でなく、2500円で売れるかもしれません。

または将来、玉の輿に乗って、どこかの会社の後継者になって、
僕自身のVALU評価が上がって、価格が上がるとか。
逆に無職になって、価格が下がるとか。

様々な理由で、ぼくのVALUは常に変動しえます。

すると当初、1長坂VAを2000円で買った人は、
例えば1年後、長坂のVALU評価が上がって、
1長坂VALUが3000円で売れるかもしれませんし、
逆に1000円でしか売れないかもしれません。

これがVALUが株式に似ている点です。



一方で、会社の株に似ていない点もあります。

その最たるは、会社の株を持っている人は、株主総会を通じて、
その会社の意思決定に影響を与えることができる一方、
例えあなたが長坂VALUを保有したとしても、
発行者である長坂尚登の意思決定に影響を与えることはできない、
ということです。

次に、株の場合は会社に利益が出れば、配当があるのに対し、
VALUには配当がありません。しかし「優待」という形で、
VALU保有者に発行者が何らかのサービスをすることはありえるようです。



では、VALU購入者は、何を期待して他人のVALUを買うのか。
(ここからは私見も交えて行きます)

まず非常に純粋な理由として「その人を応援したいから」
他方経済的な理由として「値上がりを期待して」

この2つ以上に、今のVALU市場でありえそうな理由が、
「その人とつながりたいから」
「つながるきっかけがほしいから」
というのが、ぼくは最大ではないかなと思います。

あとは今のVALUは、まだ今年立ち上がったばかりのサービスで、
「おもしろうそうだから」
「あたらしいものはやってみる」
「祭には参加する」
という人たちでしょうか。

ぼくも「おもしろうなので」やってみたい気持ちがとてもあります。
しかし、ぼくの場合、公職選挙法という別の制限があり、
この制限がどうはたらくのかわからないので、控えています。

たぶん、登録だけであれば問題ないでしょうが、
売買すると何が制限となるかわからないので、
どなたが政治家でVALUやってる人がいたら教えてください。



一方で、こういう立場であるからこそ、
この新しいサービスの仕組みを一通り知ったときに、
まず思ったことは「新しい奨学金制度」になりえないか。

正確に言えば、奨学金制度より、
学資制度といった方がよいかもしれません。

過去に、閃光のような一瞬の強い輝きを放ち、そして消えていった
「studygift」という学費支援のクラウドファンディングサービスもありました。
現時点でのぼくの結論としては、すぐ即ちVALUが学資(学費獲得)制度に
なりうるかと言えば、それは難しい
と思います。

もちろん、一部でVALUから学資を得る学生も出て来ると思いますが、
それは個々人の動きの範囲であり、「学資」を全面に出したサービスや制度に
していくのは困難に感じます。

しかし今後、VALU的なものを通じて、不特定多数の篤志から、
学資を得る制度が未来のいずれかで確立することはありえるでしょう。
(そうなってほしいという気持ちもあります)

SNSでのつながりよりも、高校までの学業成績の方がよほど
客観的な評価にも変換しやすいと思います。
それに、学生⇒社会人の変化の前後の方が、
VALU(的なもの)の価値も上がりやすいでしょう。

そもそも、最近になって国や自治体が税金を用いて、
給付型奨学金を始められた理由には、学生として勉学に励んでもらうことが、
将来の納税者につながり、いずれ税金として還ってくる、
という説明によって、理解を得ているところもあります。

もちろん、それで全ての苦学生が救われるかと言われれば、そうでないでしょう。
しかし可能性を拡げることは、とても大切です。



繰り返しになりますが、この記事は
VALUへの登録を推奨するものではありません。

それでももしVALUに興味のある方がいらっしゃったら、
ぼくがこの記事を書くために調べた中で、
以下の2つを特に参考にさせてもらったため、ご一読をオススメします。

・wikipedia|https://ja.wikipedia.org/wiki/VALU


国には、麻生大臣のお言葉通り、消費者保護はもちろんのこと、
しっかりと「新しいものを育て」ていただくことを望みます。
170816_00
では!


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