豊橋市議の長坂です。
ちょっと怒っています。

今、豊橋市では市長選挙の期間中で、
11月9日(水)にはじめて地元の愛知大学で期日前投票所が開設されてました。

様子見も含め、投票してきました。
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僕は、現職の佐原光一候補に投票してきました。

大切なことなので、二度言います。
僕は、現市長の佐原光一さんに投票してきました。

しかも大勝していほしいと思っています。

しかし、その投票直後に見たのがこれです。
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https://www.facebook.com/hiromurin/posts/1247287311997457
なんですか、これは。



補足をすると、この投稿をしている斎藤さんは、対立市長候補を推薦している共産党の豊橋市議会議員の方です。
だから、この投稿はそれを割り引いて見る必要があります。

一方、ぼくは同じ市議会議員の同僚として、もちろんこの斎藤さんを個人的に知っており、党是は別に、斎藤さんの市議会での発言を聞きながら、その調査力や質問の構成力はいつも勉強させていただいています。
別にこの斎藤さんだけに限らず、ぼくは一番若手で年下の議員のため、多くの議員から(勝手に)学んでいます。

その個人評も含めて、少なくとも「嘘」でこういうことを書く方ではないと思っており、取り上げることにしました。



正直に、投票直後にこれを見たとき、自分の投票行動を軽く後悔しました。

そして1日考えました。
もし事前にこの発言を知っていたとしても「まだしも」佐原さんに入れていただろう。
一方、行政・市政・市長をチェックする仕事をしている者として、これを記すべき、とパソコンを開きました。



選挙というのは、「よりマシな政治家を選ぶ」「より悪くない方を選ぶ」作業と言われます。

この1年半、佐原市政を最も身近で見てきた者のひとりとして、オールOKでないのは百も承知です。
それでも、今回の発言を織り込んでも、比較優位で現職が「まだまし」です、ギリギリですが。
もっと言えば、妥協、そして打算もあります。

別に佐原さんだけでなく、1年半前に僕に投じてくださった方々の中にも、「消去法で」「候補者42人の中で、一番マシだった」という方がたくさんいらっしゃると思います。それが選挙です。



しかし、佐原さんのこの発言がとても残念で、そして怒れるのは、まず第一に、トップがこんなメッセージを発信してしまっては、豊橋がもっともっと「選ばれないまち」になるからです。

現在の豊橋市の総合計画にも、そして佐原さんの選挙公報にも、「選ばれるまち豊橋」という言葉があります。
その中には、若者の定住や移住も含まれます。

人口減少や、地域間競争に対応するため、市内だけでなく市外からも多くの知恵やネットワークを借りないといけないのに、トップがこんなことを言ってしまっては。僕ならUターンしません。

市長の同級生にも、たくさんの市外で活躍される方がいらっしゃるはずです。
中には力を貸してくれている方がいらっしゃるのかもしれませんが、どう思うでしょう。



そして2つ目。
部下である市職員、市外に住む職員がどう思うか。

仕事として最も市政を語っているのは、市長を含む選挙で選ばれるぼくらを除けば、間違いなく市職員の方々です。
議会やあるいは委員会でも、部長・課長の方々が、市政について答弁されます。

もちろん、僕も市職員は豊橋市内に住むのが望ましいと思っています。
しかし、そうしたくてもパートナーの仕事など家庭の事情でなかなか難しい方もいらっしゃるでしょう。

組織のトップとして、この発言を市の職員がどう思うのか。
また、採用の面からも広く優秀な人材を得ることに反しないか、心配です。



3つ目、市税が免除の方について

生活保護や障がいのある者、所得の少ない家庭などの一定の要件を満たすと、市民税が免除(非課税)になります。

> 市税 個人市民税|豊橋市
http://www.city.toyohashi.lg.jp/6735.htm

こういう方々にとって「市政」はより身近な存在です。

また、今年は選挙権が18歳からに引き下げられましたが、未成年者も一般的に、市税が非課税です。
今年は、学生の投票を促すため、地元の大学にも期日前投票所を設置したのに。

このような方々どう思われるか、配慮はされていたのか。



市外の方が選挙に出られることについて、それが投票される個々の判断材料になることは、全然よいと思います。

「やはり地元の人間じゃないと」
「能力さえあれば関係ない」などなど。

僕ら市議会議員は、法律で選挙区内の居住が条件となっています。
しかし、市長はそうではありません。
少なくとも、選挙区外の者が立候補することは法律で認められています。

過去に、まだ僕が議員になる前に書きましたが、「骨を埋める覚悟」を問うようなまちに未来はないと思います。
隈: 地方の小さな町のために「がんばっていい建築を作りたい」と言うと、「骨を埋める気もないくせに、生意気なことを言うな」みたいなリアクションが返ってくる。 それはやっぱり、日本人的なメンタリティーで、「骨を埋める気」を問いながら、よそ者を排除する仕組み。その根本が、前近代から団塊の世代まで、ちゃんと受け継がれているんです。

 - 怒らないでください。地元のお偉い方々に、偉そうに話をしてきた。 - 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/150120.html
若者も起業家も女性も集まらないでしょう。



先日の公開討論会後に、対立候補と握手されたとき、ぼくは好感でした。
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お願いだから、市長にはドンと構えていてほしいのです。
そして、大勝されてください。

一方、ぼくはぼくで、市議会議員として、また市長に投票したひとりの市民としても、
是々非々で、これからも市長と市政を見据えて行きます。



次の市長選挙は2020年。

東京オリンピックも終わり、いろいろな意味で時代が変わるでしょう。
そのときまでには、市長の内面、あるいは人物そのものが変わっているかわかりませんが、
21世紀的な考え方をもった候補者が出て来ることを期待したいです。

では!