豊橋市議の長坂です。
赤い羽根の季節ですね。

さて、東京都知事の小池さんが募集されていた政治塾「希望の塾」の応募が4,000人を超えたらしいです。
こちら全6回の講義で、5万円となっています。
一般男性     5万円
女性応援特別価格 4万円
学生応援特別価格 3万円(25歳以下)
6回分すべての受講料が含まれています。
https://koikejyuku.tokyo/ 
当選してから、「議員向けセミナー」のお知らせをよくいただきます。 講師は大学教授や自治体の首長(元職含む)などで、専門事業者がビジネス的に開催している雰囲気のものは、だいたい1講座90分1万5千円がよく見る価格設定です。 それと比べれば別段高いものではないのかな、という印象です。

しかも講師が、今をときめく小池都知事ですし。



さて、この価格ですが、実は5万円より大きい価格にしにくいのではないかという事情があります。
ポイントをまとめると、
  • 主催の「都民ファーストの会」が、政治団体である
  • 政治団体で、個人からの収入を「寄附」扱いとする場合がある
  • 「寄附」は、5万円を超えると、氏名等公表の必要がある
希望の塾サイトには、次のように記載されています。
第3条(運営)
本塾は、政治団体「都民ファーストの会」が組織する事務局をもって運営する。
https://koikejyuku.tokyo/
この政治団体は、政治塾の事務局を担うために設立され、代表を豊島区議の本橋弘隆さん、会計責任者を都議の音喜多駿さんが務められています。
東京都の小池百合子知事が主宰する「政治塾」の運営を担う事務局となる政治団体「都民ファーストの会」が設立された。(略)

代表には、自民党の本橋弘隆豊島区議が就任した。本橋氏ら7人の豊島、練馬両区議は小池氏を支援したため、自民党都連から離党勧告を突きつけられている。本橋氏らの動きも注目される。

会計責任者は、かがやけの音喜多(おときた)駿都議が務める。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160921/plt1609211700006-n1.htm
2人とも、都知事選では小池さんを応援されていた方で、豊島区は小池さんのお膝元(国会議員のときの選挙区)でもあります。



さて、全ての政治団体は、年に1回、収支報告書の提出が義務付けられています。

「政治団体」とは、長坂なおと後援会から自由民主党まで大小様々、国内に数万の政治団体があると思われます。 もちろん、「都民ファーストの会」も収支報告の必要があります。

総務省の資料によると、収入については以下の項目が上げられています。
  • 個人が負担する党費又は会費
  • 寄附
  • 機関紙誌の発行その他の事業による収入
  • 借入金
  • 本部又は支部から供与された交付金に係る収入
  • その他の収入
 - 国会議員関係政治団体の収支報告の手引き(PDF)
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000077911.pdf
「希望の塾規約」では、塾の参加に係る費用は「受講料」という言葉が使われているため、収支報告の際に、どの項目に該当するのかわかりません。

そして、寄附の場合は、下記が該当します。
同一の者からの寄附で、その金額の合計額が、年間5万円を超えるものについては、その寄附をした者ごとに、その者の氏名、住所及び職業、当該寄附の金額及び年月日並びに(略)該当欄に記載して下さい。
5万円以上の寄附の場合、寄附者の氏名・住所・職業が記載され、この収支報告は開示対象となります。

一般論として、政治塾の受講料がどの項目に該当するのか(寄附扱いになるのかそうでないのか)、総務省(政治資金課)に電話で問い合わせたところ、
収支報告の記載については、総務省サイト掲載の手引などにある通りで、それ以上は各団体の判断による
の繰り返しであったため、「希望の塾」が受講料をどのような扱いにするのかはわかりません。



ここからは僕の推し量りですが、事務局は寄附扱いとする可能性も視野に、氏名等の記載必要がない上限である5万円という価格設定したのではないかと。

結果として4,000人の応募という人数になりましたが、この数の寄附者一覧を作成するのは、各自から個人情報を得ることも含めて、結構な事務作業になります。

そして、それ以上に塾生一覧、つまり実質的な塾生名簿が公開情報になるということは、それを得たい同業の方もたくさんいらっしゃるでしょうから、避けたいことではないのかなと。



もう一点気になるのは、もし寄附扱いとしたら、この受講料は控除対象になるのでしょうか。
もしなるとしたら、これも相当な事務作業になりますね。

では!