昨日のブログで、豊橋市斎場の再整備計画について、公開しました。
ご遺体の効率的な火葬を考えるのも市役所の仕事 - 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/160717.html
この中で、今回考えてみたいテーマが「ペット火葬」です。

再整備計画の中で、このような気になる記述がありました。
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大型のペットが火葬できる動物炉を導入します。 また、飼い主の気持ちに配慮した火葬について検討します。 
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動物炉専用の受付窓口を設置し、受付から火葬まで人体の火葬と分離できる動線を計画します。 


既に、現在の斎場にも、動物炉があります。

利用状況としては、年間に犬857、猫等751、計1,608件。
(平成27年度実績 - 委員会でのやり取りより)

動物炉の現況について確認したところ、個別火葬ではなく、合同火葬で返骨はなし。
いらっしゃったそのタイミングで火葬をするのではなく、はじめは冷蔵室に入り、そこで時期や数を調整をしなから、火葬をされているということ。

そして、現在は、20kgまで。 計画の記述中にある「大型」というのは、これまで斎場で対応できなかった「20kg以上」に対応していくということを意味します。

そして、使用料がこちら。
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人(成人)が4,000円に対し、動物は7,000円(7kg未満でも5,000円)。

当たり前といえば当たり前ですが、複雑な気持ちも抱きます。



さて、この件について2つの側面から考えてみます。

1つ目は「民業圧迫」です。
みんぎょうあっぱく【民業圧迫】の意味 - goo国語辞書 - goo辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/jn/252624/meaning/m0u/

同種の事業を行う政府・地方公共団体などの公共部門と民間部門との間で、公正な競争が確保されず、民間の事業者が不利な競争を強いられること。
身近な例で言えば、公共駐車場があります。

豊橋にも駅前に公共駐車場がありますが、その料金を勝手に決めることができません。

市場価格(周りの民間駐車料金)に合わせる必要があります。
正確に言えば、「合わせる」より遅くなります。

30分150円と、100円が両立している状況ではなかなか難しく、100円が大勢になってようやく公共駐車場も100円にすることができます。

「公共駐車場が高い」という言葉をよく耳にしますが、簡単に安くできな理由がこちらです。


さて、「ペット火葬」にも、民間事業者がいます。

|ペット火葬 豊橋|で検索すると、4件表示されました。
(まだあるかもしれませんが)

その中で個別火葬でなく、合同火葬の料金設定があるのが2件。
20kg近いペットの場合、およそ2万~3万円で、豊橋市の料金と比べ3倍~4倍違います。

これをどう考えるか。



2つめ。

ペットについては、「火葬」以外の選択肢もある。

人については、火葬以外の選択肢は法律的な意味も含めてあまり現実的ではありませんが、ペットは違います。

自分の土地であれば、土葬もできます。

そして、これは心理的な抵抗がある方もいることがわかって書きますが、「廃棄物」として扱うことも認められています。
廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/03/law.html

(定義) 
第二条  この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。 
自治体としては、ペットの死体について何もしていないというわけでなく、「廃棄物」としてであれば、対応をしているということです。

このようにペットの死体の取り扱いについては、非常にナーバスかつ、曖昧な領域であり、埼玉県久喜市のサイト内に、このような見解のまとめもありました。
160718_sinngikai48_01
160718_sinngikai48_02
http://www.crt-kuki.miyashiro.saitama.jp/comittee/pdf/sinngikai48.pdf
動物の飼い主の個人の考え方や取扱いにより、動物の死体が、一般廃棄物に該当する場合と、該当しない場合がある。
最後のこの一文が、ガツンときます。



これらについて、どういう選択肢がありそうか考えてみると・・・

1.料金の値上げ

料金を民間施設並、あるいは、施設にかかるコストに見合う程度にするというのが真っ先に思いつきます。


2.ペット税の導入

全国一律の対応ができるのであれば、「ペット税」なども考えられるかもしれませんが、ペット火葬については、自治体ごとに対応の差がとても大きいようなので、これは現実的ではないでしょう。


3.ペット火葬をしない

いっそのこと、ペット火葬を行政として行わない、というのも考えられます。
東京23区では、やっていない様子です。
役所によって体制が異なる。 野良猫の遺体処理は無料としている自治体もある。 指定場所への持ち込みと引き取りで費用が異なるが無料~3千円程度である。 東京都23区は生ゴミ扱いで清掃局が引き取る。 横浜市のようにペット専用の火葬炉を持ち個別に火葬してくれ遺骨も返してくれる自治体もあるが、費用が2、3kg程度の重さのペットで2万円で、ペット霊園の火葬より費用的に高くなることもある。 横浜市外の住民は利用できない。 自治体によるがペット用火葬炉を別に持ち、他のペットとまとめて火葬する場合が多い。 遺骨は持ち帰れない。 その場合は共同墓地に遺骨を納め慰霊を行ってくれる場所もある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ペット供養

4.現状維持

他のデメリットなどを考えると、ペットを飼わない人も含めた公共の利益に適っているという判断もありえます。
例えば、自治体での安価なペット火葬がなくなる一方、廃棄物としての処理にも抵抗する人が、自分の土地以外、例えば公園や他人の土地に勝手に埋葬してしまうなどを予防できる、とか?



日本中どこもかしこも、財政難であり、これまで「余裕があったから」できたことを、本当に行政がやるべきことなのかを見直す時期に来ています。

具体的で想像しやすい事例だったので、取り上げてみました。

では!