2016年6月9日、『豊橋市役所JK広報室』 が発足しました。
160612_00
そして、鯖江市役所JK課・プロデューサーの若新雄純さんが、JK広報室の顧問に就任されました。

その若新さんが、この2週間ほどの地元での報道を受けて感じたこと、考えたことを、
地域社会とマスメディアの関係性、そして未来に求めること
というタイトルで、ご自身のフェイスブックに投稿しました。

とても読み応えががある文章で、豊橋の人はもちろんのこと、自治体職員を含めた、まちづくりに関わる全ての人が、一読に値する内容であるため、紹介します。
■ 地域社会とマスメディアの関係性、そして未来に求めること
160612_01

ちょっとマジメな投稿です。かなり長いです。

豊橋市のJK広報室、はじまるまでは批判的な内容が話題になっていた毎日新聞ですが、今朝の記事では、メンバーの生の声を素直に紹介してくれて、ポジティブな(メンバーにとってはげましになる)内容がたくさん書かれていました。

≫豊橋市:「JK広報室」デビュー メンバー「名称親しみやすい」 /愛知-毎日新聞(2016年6月11日)

今回、僕がこれまで主に活動してきた大都会の東京や、人口数万の小さなまちである鯖江のいずれでもない、中核市という規模の豊橋市の事業をお手伝いすることになって、地域社会における政治・行政とマスメディアの関係性についてリアルに見えてきたもの、学んだことがあります。

JK広報室の企画を発表した直後は、その目的や意味、関係者の意気込みなどではなく、「JK」という名称の変更申し立てがあったことや、議会での答弁をめぐって鯖江市は姉妹プロジェクトだと認めてない(これは後に記事が間違いだったことが確認されました)ということを取り上げ、取り組みにたいして揚げ足をとるような批判的な内容にかたよっていました。

最初僕は、せっかく当の女子高生が何人もやりたいと言って集まってきているのに、こんなことでは市民活動がやりにくくなってしまう。JKメンバーたちの気持ちは考えないのか? なんでこんな論調なんだろう、残念だなぁという気持ちでした。

しかし、あることに気がつきました。
新聞記者にはこれは「JKの活動」には見えていないのではないか?

記事を読みなおしてみると、たしかに、JK広報室は豊橋市の税金をつかった公共政策の一環で行われるわけで、徹底的に公共事業としての問題点や不備などを確認・指摘・批判しようとしているのです。

なるほど!と思いました。
日本中、どこのまちにも新聞数社の番記者がいて、そのマスメディアとしての大きな役割の一つに、「政治・行政の監視」があります。

たしかに、これは非常に重要な役割です。市民に代わって、議会や役所が正しく税金を使い、妥当な公共事業を行っているかどうかを報道力(ペンの力)を持っているマスメディアが厳しくチェック(時には追求も)しないと、民主主義は正しく機能しません。マスメディアがその役割をサボれば、お金や権力の集まった議会や役所は確実に堕落していきます(なるほど、だから交番の警察と一緒で番記者は数年でローテーションするのか)。

よく考えれば、地域のお祭りやイベントなどの「市民活動」については、「素晴らしい!応援しよう」という論調の記事がほとんどです。でもそのほとんどは、税金をもらっていない市民による自主的な活動であり、その場合のマスメディアの役割は「監視・追求」などではなく、とにかく地域の多くの人に知ってもらい応援するということにあるのだと思います。

さて、今回の豊橋のJK広報室には、ある「難しさ」が存在しています。鯖江のJK課の場合も同じです。
それは、公共事業と市民活動の両方の側面が含まれている(混ざっている)ということです。というよりも、その境界や垣根を超えて「混ぜる」ことがJK課の企画段階からの大きな目的でした。

従来は、
●公共事業:役所がやっている(しっかりしてるけど古かったりつまらなかったりする)ものか、
●市民活動:市民がやっている(自由でおもしろいけど運営や継続性が不十分だったりする)か、
というはっきりとした線引がありました。

しかし、それだけではそれぞれの良さや能力が十分に発揮されないし時代のニーズにも対応できないので、役所と市民がおたがいに垣根を超えて、いいところを活かしあって協力しようという、行政主導でも市民主導でもない「市民協働」というテーマが生まれました。
JK課の発足理念は、この「市民協働」を推進していくことでした(ホントだよ)。そして、今回の豊橋のJK広報室も、その点は全く同じです。

JK課にもJK広報室にも、税金で働く役人と、税金はもらわない一般市民(JK)の両方が含まれています。よく、「JK課も結局大人が手伝ってんじゃん」という批判をする人がいますが、それは設立趣旨からすると的はずれです。たしかに、主役はJKたちですが、それを大人や役人が協力し、上手に役割分担することが目的です。それが、ただの市民活動とは違う公共政策としての「市民協働」なのです。

長くなってしまいましたが、今回一番言いたいのは、このような公共事業と市民活動の両方が混ざった「市民協働」的活動はこれから増えていく(べき)だろうし、地方のまちで大きな役割を担っていくことになると思うので、一般市民にそれがちゃんと理解されたり浸透するまでにはまだまだ時間がかかったとしても、マスメディアの人たちには、ちゃんと「新しいもの」として対応してもらいたいということです。

JK課にもJK広報室にも、監視・追求されるべき役人と、応援すべき市民の両方がいます。

マスメディアが公共事業という視点だけで厳しくアプローチすればJKたちは萎えてしまうし、だからといってただ応援するだけでは、たしかに税金を使っている役所・役人を甘やかすことになるのだと思います。

じゃあ、これからの市民協働社会を迎えるにあたって、僕はマスメディア(の人たち)に何を求めるのか?
それは、監視でも応援でもなく、その意味や意義の【深掘り】をもっともっとしてほしいということです。

今回の「豊橋市役所JK広報室」の場合は、発足までの間は、とにかく役所の政策を重箱の角をつつくように追求するものがほとんどで、そして、一般市民であるJKメンバーが登場したとたん、論調はぐっと柔らかくなりました(紹介した今日の毎日新聞の記事も、そういう意味では二部構成になっています)。

しかし、できることなら、単なる問題追求でもなく、単なる事実紹介でもない、賛否両論ある事業の意味や意義、可能性や課題、そういったものを多くの市民により深く考えてもらうための「テーマの深掘り」を、もっとたくさんしてもらいたいと思っています。

確かに、そのような深掘りのための特集コーナーなどは今の新聞にもありますし、もっと長いものは雑誌を読めということなのかもしれません。

しかし僕は、今、地域社会に変革が求められているというのであれば、事業やプロジェクトの成果がある程度「みえて」きてからではなく、立ち上げの段階にこそ、その深掘りをするこが大切だと思うのです。

なぜやったのか、なぜうまくいったのかではなく、
なぜやるのか、どうすればうまくいくのか。

それを、政治、行政、市民、そしてマスメディアが一体となって考えることができる地域社会が実現すれば、僕たちの「まち」はもっともっと面白くなるのではないかと思うのです。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1022901397763582 
JK広報室、早速Twitterを始めたようです。
では!


<参考>毎日新聞記事

※毎日新聞サイトからは、月5本までしか記事が見られないので、Yahoo!に掲載されたものは、そちらのURLにしています。 そのため、見出しが少し違います。

2016年5月25日(メンバー募集・報道発表翌日)
"「JK広報室」を設置 活動強化へ女子高生組織 /愛知"
"「JK広報室」を設置 愛知大の樫村愛子教授の話 /愛知"

2016年6月4日
"「JK広報室」に疑問 女性20人が名称変更申し入れ /愛知"

2016年6月7日(議会質問翌日)
"「JK広報室」に賛否拮抗 名称は変えず /愛知"

2016年6月8日
"「JK広報室」 有志女性ら、名称変更を再度要望 /愛知"

2016年6月10日(委嘱式翌日)
"「JK広報室は姉妹企画」 福井・鯖江市「提案なかった」 拙速浮き彫り /愛知"
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160610-00000025-mai-pol

2016年6月11日
"「JK広報室」デビュー メンバー「名称親しみやすい」 /愛知"

毎日新聞サイト「豊橋」での検索結果一覧