戦後の企業誘致の際に、豊橋市からユニチカに無償譲渡された、東京ドーム6個分の広大な土地が、今年になって、ユニチカから積水ハウスに63億円で売却されました。 しかし、昭和41年に豊橋市とユニチカとの間で、 "使用する計画を放棄した部分は、これを豊橋市に返還する" 契約が交わされていた、という話が議会で出てきました。
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ということを、先日ブログに書きましした。 そして、追記の通り、その案件を取り上げた別の議員からは、「返還」についての言及はありませんでした。
追記(15/12/10):
鈴木道夫議員の質問では「返還」についての、言及はありませんでした。


- 63億円!東京ドーム6個分のまとまった土地を豊橋市は逸したか。- 愛知豊橋・長坂なおと のblog
 http://nagasakanaoto.blog.jp/151208.html


ここまでは、比較的に議会での発言や資料などの事実をベースに話をしてきましたが、ここからは僕の主観的な雑感や、推察、想像を多めに交えて書いていきます。 ご留意ください。

議会から既に数日が経ちました。 最初に議会でこの話を聞いたときは「えらいことだ」と思ったのですが、一向にメディアが取り上げません。 そんなシンプルな話であれば、63億円という数字の大きさも合わせて、中日新聞の一面に来てもおかしくないような話と思ったのですが。

記者がいろいろと裏取り中という見方もできるのですが、同じ市役所内にいて裏取りに動いている雰囲気も感じられない。 つまり、まだ表に出ていない僕の知らない重要な何かがある気がします。 なにかすごい陰謀的な書きぶりをしていますが、そういう意味ではなく、単純にまだ出ていない市役所の情報がありそうということです。



さきほど書いた「シンプルな話」をいうのは、要するに不祥事を意味しており、市長や行政が63億円規模の市民利益に反した、ということです。 しかしそうではなく、メディアが不祥事と断じられない、何かがあるんじゃないか、ということです。

先の鈴木道夫議員の質問に答える中で、豊橋市役所が、「昨年、秋の段階でユニチカから(第三者に)土地を売却したいという打診があった」、と言っていたので、そこで何がしかのやり取りは必ずされていますし、少なくともユニチカは無断で土地を売ったわけではないということを、ユニチカの名誉のために申し添えます。

じゃあ、どんな可能性があるのか。



ひとつには、豊橋市と積水ハウスで何らかの話があったというパターン。

例えば、○○という土地利用をする/しない、あるいは、○○という企業や商業施設を誘致する・できる、という話。 その話があった上で、「それなら市民のためになる」、と土地の売却を承諾した、という話。

鈴木道夫議員も質問の中で、「巷のうわさで聞いた話ですが、」と前置きはあったものの、道路で2つに分けて、半分が福祉施設、半分が住宅地、という話をされていました。 さすがに本当に根も葉もない「うわさ話」を、議会で言うことはないと思いますので、なんとなくどこかから情報を仕入れているのか。 あるいは逆に、市役所の反応を探るための発言なのかもしれません。 少なくともそのときに部長方々は笑っていませんでしたので、僕は、当たらずしも遠からずなのかなぁ、と感じました。

福祉施設といえば、豊橋市も日本版CCRCに興味なくはないみたいだし。



ふたつめは、豊橋市とユニチカで何らかの話があったというパターン。

実はユニチカは経営再建中であり、この土地をなんとか資産として有効活用したかったであろうことは、確かでしょう。 つまり、豊橋市がユニチカ再建の、ひとつの救済の手を差し伸べたのではないか。 と言っても、単純に返却を諦めるだけでは、市民利益に大きく反するので、何らかの約束がされている。 例えば、「経営再建が成功したら、○○」みたいな。



みっつめは、すごく消極的な話で、豊橋市が土地を持ちたくなかったパターン。

まず、そんな大きな土地を手にしてもどうしていいかわからない。 維持管理コストもかかるし、その土地に何かつくるならもっともっとお金がかかる、売るにしても販売能力がない(←これ問題だけど)。 そしてもうひとつは固定資産税。

当たり前だけど、民間で土地を持ち続けてくれれば、市役所には毎年、固定資産税が入ってくる。 一方、豊橋市が所有してしまったら、それがなくなる。

そういう意味では、市役所が単純に土地を所有するだけで、資産として運用活用できないのであれば、負債になってしまう。 固定資産税の話は、調べてみたら、ちょっとおもしろそうなので、改めて紙幅を割きたいと思います。



いずれにしても、既に積水ハウスに土地の権利は移っているはずで、豊橋市のものになることは、法的にも非常に困難。 会社名からして、住宅地になってしまうのかという単純な推察をしてしまうけど、あの土地はあれだけまとまっているからこその価値があり、人口減少社会で住宅地にすること、そして細分化して販売されてしまうことは、非常にもったいないないなぁ、と思います。

まさか住宅地化するとき、道路敷くために、その土地を豊橋市がお金を出して取得する、なんてことなはいよね??

では!