おこられたら、消します。
今から50年後くらい。 健康至上主義な時代が訪れた。

この時代、病気や老いが世の中からなくなった。 人々は幼い頃に、「ウォッチ・ミー」というデバイスを体内に埋め込まれ、体内情報はすべて自動的に政府のコンピューターに送られ、管理・監視されていた。

ある日、ひとりの聡明な美少女が自殺をした。 ウォッチ・ミーは、成人とともに政府のコンピューターに繋がる。 「自分の身体を、自分の身体のままでいたい」 そう願う彼女は、15歳で自殺した。 名前は、ミアハと言った。

ミアハは、ふたりの友人を自殺に誘った。 トアンとキアンという。 「私たちが、私たちのままであるために」 トアンは自殺薬を飲んだが一命を取り留めた。 キアンは薬を飲まなかった。



それから、13年。 28歳になったトアンは、ニジェールにいた。 遺伝子監察官という国際的機関の要職に就き、戦闘の最前線にいた。 ミヤハの自殺から、どこか生を実感できない彼女は、敢えて、戦闘の最前線に身を置いていた。 しかし、堕落した不正が上司にバレる。 トアンは、謹慎として「生きた心地のしない」日本へ、強制送還されることとなった。

空港でトアンを待っていたのは、キアンだった。 かつては、同士として、ともに自殺を試みた彼女が、今はウォッチ・ミーで管理される社会に順応し、屈託のないキラキラした日常を送っている様子。 そんなキアンに、トアンが辟易としているとき、事件が起きる・・・


 同 時 多 発 自 殺


原因は不明。 しかし、偶然でないことは間違いがなかった。 究明のため緊急招集がかかるトアン。  そこで彼女は、人間の欲望、葛藤を制御し、心と脳に調和をもたらす、<harmony>という生命プログラムの存在を知る…


豊橋に遊びに来てくれた、学生時代の後輩から突然メッセージが。
相談?宣伝?なんですけど、「ハーモニー」っていう映画を作りまして。 東京だけど、もし都合良かったら試写見て貰って愛知にも広めてよ!と思って。 どう?
行ってきました、ちょうど東京に行く予定もあり。
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「映画を作りまして」、というからてっきり自主制作とかそういう話かと思いきや、全然ちがった…



好きな終わり方だったので、個人的にはありです。
でも、頭がよすぎる人と心の弱い人は見ない方が。

雑感としては、
  • SFだけど、ニジェール、日本、バグダット、チェチェンなど、具体的な地名が出てくるのがいい
  • 登場人物が少なく、描き分けられているので見やすい(登場人物の多い、洋画は区別できなくなるから苦手)
  • 人間の欲望、葛藤を制御し、心と脳に調和をもらたらされたら、人間は○○になる、という設定にとても納得感
あと、絵とテーマ曲も好き。

事前に、友人(後輩)からは、「あの伊藤さんの原作だよー!」的なことを言われ、誰やねん、と。
検索すると、Project Itoh - 伊藤計劃 と。 で、どの伊藤さん??って思ったら、「計劃」が名前だった。

でも、これ読むと泣ける
(手元のプレスリリースより)
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伊藤計劃とは何者か
伊藤計劃(いとう・けいかく)
1974年生まれ。 2009年3月20日、死去。 享年34歳

2006年『虐殺器官』が第7回小松左京賞最終候補となり、翌年同作でデビュー。
2009年にオリジナル長編第2作『ハーモニー』で第30回日本SF大賞を没後入賞
同作は米国SF文学界の権威であるフィリップ・K・ディック記念賞の特別賞を受賞。

オリジナル長編第3作となるはずだった、『屍者の帝国』は、盟友・円城塔に書き継がれる形で完成し、共著として2012年に刊行。 第33回日本SF大賞特別賞、第44回星雲賞日本長編部門を受賞。

夭逝の作家・伊藤計劃氏の原作小説3作を連続劇場アニメ化していく一大プロジェクト「Project Itoh」… 

作品。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
2010-02-10

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
2010-12-08

映画に合わせた新版も。


そして、遺作。
屍者の帝国 (河出文庫)
伊藤 計劃
河出書房新社
2014-11-06




さて、気を取り直して、映画の公開情報!
 <harmony/> - ハーモニー - は、11月13日(土)より全国劇場にて公開! 地元の映画館では、151029_01
やって、ない、、だ…と……?

ユナイテッド・シネマ豊橋はまだしも、豊川のコロナもイオンシネマでもやらないなんて・・・
いやいや、きっと近々更新されるに違いない。 そうに決まってる。

東宝さんよろしくお願いします。
 - 上映劇場情報|『ハーモニー』 - 東宝
 http://www.toho.co.jp/theater/ve/i_harmony/



最後に答え合わせのように、オフィシャルサイトのあらすじも載っけておきます。
「大災禍」と呼ばれる世界規模の混沌から復興した世界。

かつて起きた「大災禍」の反動で、世界は極端な健康志向と社会の調和を重んじた、超高度医療社会へと移行していた。 そんな優しさと慈愛に満ちたまがい物の世界に、立ち向かう術を日々考えている少女がいた。 少女の名前は御冷ミァハ。 世界への抵抗を示すため、彼女は、自らのカリスマ性に惹かれた二人の少女とともに、ある日自殺を果たす。

13年後、霧慧トァンは優しすぎる日本社会を嫌い、戦場の平和維持活動の最前線にいた。 霧慧トァンは、かつての自殺事件で生き残った少女。 平和に慣れ過ぎた世界に対して、ある犯行グループが数千人規模の命を奪う事件を起こす。 犯行グループからの世界に向けて出された「宣言」によって、世界は再び恐怖へと叩き落される。 霧慧トァンは、その宣言から、死んだはずの御冷ミァハの息遣いを感じ取る。

トァンは、かつてともに死のうとしたミァハの存在を確かめるため立ち上がる。

 - http://project-itoh.com/#/harmony/ 
エンドロールにて、友人の名前を目を網にして、探していたら、そんな必要もないくらい、ドドンと出てきました。 そりゃ「映画を作りまして」、なんて言っちゃうわ。

こういう同期や友人らの活躍を知ると、楽しいなと思うし、僕も負けてられん。

では!