東三河懇話会という団体の月例会、東三河産学官交流サロンにてお話する機会をいただきました。 講演タイトルは、「僕が考える豊橋創生~うそから出たまこと大作戦」。 来場者には、地元で一番大きな会社の名誉顧問・社長や、国会議員の方までいらしてました。 ちなみにその名誉顧問が、東三河懇話会の会長でもあります。 そういう会です。 あわあわ。

それでは、はじまりはじまり。
(ダイジェスト)



「まず、はじめにみなさんにお伝えしたいことがあります。
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これから、失礼なことをたくさんお話させていただくと思いますので、寛容な心を持って、どうか怒らないでください。」

「さて、
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マイナス29.6%、この数字が何かわかる方いらっしゃいますか?」

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「豊橋市内で、2040年までに、20-39歳の女性が、29.6%=33,092人減ります。 これは日本創成会議が出した数字で、これが50%を超えている自治体が、今話題の『消滅可能性都市』と呼ばれています。 豊橋でも、これだけの人が減ります。 ちなみに今この会場にざっと100人くらいの方がいらっしゃいますが、ざっと見る限り、20-30代の女性は1,2名しかいらっしゃらないようです。」

「ところで、みなさんにお尋ねしたいのですが、
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「今、外から豊橋はこう見られています。
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なぜかというと、外で講演するとき、私がこのようにうそぶいているからです。 しかし不思議なもので、こう言い始めてから、本当に豊橋におもしろい人が集まりつつあります」

(手筒花火短編ドキュメンタリーをカナダ・トロントの映画祭に出品する若き映像作家・伊納達也さんの話、パーソナルモビリティWHILLの最高開発責任者が週末に豊橋で講演する話、米プロデューサーのトラ男こと武田昌大さんが、豊橋に訪問した話)



「ところで、
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ってどんな田舎でしょう。 先日、日経ビジネスオンラインで、養老孟司さんと隈研吾さんが興味深い対談をされているのを見つけましたので、ご紹介します。」
養老: 若い人たちが今、移るところは、ただの田舎じゃないんですよ。

どういう田舎なんですか。

養老: 年寄りのいない田舎なんですよね。若い人にとって、年寄りって邪魔なんだよ。だって既得権を持っているでしょう。田舎っていうのは、1次産業がなきゃやっていけないところで、そうすると畑のいいところは全部、年寄り連中が持っている。(略)テレビのニュース番組で、農業の後継者問題なんかを取り上げることがあるでしょう。田舎のじいさんが「後継者がいなくて…」と、こぼしているんだけど、「お前がいるからだろう」って俺は思うんだよね。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20141121/274162/?P=1 
「ちなみにこの対談のタイトルは、
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です。 続いて、隈研吾さん」
隈: 地方の小さな町のために「がんばっていい建築を作りたい」と言うと、「骨を埋める気もないくせに、生意気なことを言うな」みたいなリアクションが返ってくる。 それはやっぱり、日本人的なメンタリティーで、「骨を埋める気」を問いながら、よそ者を排除する仕組み。その根本が、前近代から団塊の世代まで、ちゃんと受け継がれているんです。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20141121/274162/?P=2 
「みなさん、豊橋はこういう田舎になっていませんか? 骨を埋める気を問うたことはありませんか? 先日、地元紙で、豊橋への移住を決意した人がこうおっしゃっていて、僕は衝撃を受けました」
「何があっても、死ぬまで豊橋で生き抜くことを決めている」と、この地に骨を埋める覚悟であることを強調した。 http://www.tonichi.net/news/index.php?id=41120
「みなさんがどうかは知りませんが、少なくとも外からの人は、豊橋をこういう田舎と思っている。 残念ながら、こういう地方に、人は来ません。 来るときはもちろん、出るときも手を振って「またいつでも来てねー」と言える、気軽に立ち寄れる田舎にならないと」



「さて、おもしろい人が日本一集まるまち、ですが、長野の小布施ではこんな取り組みがされていました。
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第一線の方々をお招きしての講演と、立食パーティー。 例えば、こんな方々がいらっしゃっていました。」
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「コミュニティデザイナーの山崎亮さん、経済学者・伊藤元重さん、デザイナー・ナガオカケンメイさん、徳島・上勝町いろどりの横石知ニさん、脳科学者・茂木健一郎さん、マーケターの三浦展さん、SANYO社長(当時)の野中ともよさん、日本文化研究科・アレックス カーさん、プロダクトデザイナーの深澤直人さん、経営学者の米倉誠一郎さん、デザイナーの原研哉さん、同じくデザイナーの梅原真さん。 そして、養老孟司さんや隈研吾さんも。」
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「毎月、こういう方々がいらっしゃり、12年144回開催されていました。 私もこれのために学生の頃から年2,3回のペースで小布施に通っていました。 まちがいなくこれは小布施の財産になっていると思います。 例えば、小布施のお土産品をここのデザイナーがデザインしていたり、図書館の設計コンペに隈研吾さんも応募していたり、など」
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「是非、こういう方々を豊橋にお招きください。 この小布施ッション、地元の栗菓子屋や造り酒屋などの民間企業が開催していたのですが、たった11,000人の小布施でこれができて、人口38万、東証一部上場企業がある豊橋で、東三河懇話会で、できないわけがない。 僕なんかを呼んで「あー、いい話だった」なんて満足してちゃダメなんです。」

「そして、この小布施ッション、なんと学生は無料でした。 一般は5,000円でしたが、それでもリーズナブル。 今ここにいらっしゃる方、ひとり学生がいますが、他はどうでしょう?
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もっと若い人たちを呼んでください。 こういう第一線の人たちに、地元の若者が触れることが、どれだけ地域のためになるか。」

「以上が、「豊橋は、おもしろい人が日本一集まるまち」という、うそをまとこにしたい、私の
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でした。 ご清聴ありがとうございます」



余談ですが、冒頭の「怒らないでください」は、チームラボの猪子さんが、朝まで生テレビなどでよくおっしゃっている言葉です。 年寄りはすぐ怒るから・・
「老いとは寛容さを失うことだ。若かろうが寛容さを失ったものは精神的にすでに老いているんだ」...今も生きる先人の言葉 http://konozama.jp/amazon_devil/2015/01/post-363.html
では。