先日、図書館に関する意見交換会に参加したとき、こんなやりとりがありまして、

-参加者 「専門性の高いスタッフをおいてください」
-市職員 「スタッフは身分保障がある形で、専門性を高めてもらいたいと、」

・・・その場でも意見言いましたが、身分保障をすれば専門性が高まるなんて、ごくごく一部の職種・業態の話で、少なくとも、図書館スタッフは、そういう職種・業態から外れているかと。



僕は、図書館スタッフの仕事をちゃんと知りませんが、ある程度の専門性が求められる仕事内容はきっと、接客業務、コンサル業務(相談)、リサーチ業務(調査)の3領域くらいかと。

まず、接客業務については、きっとその最たるものは、ディズニーやスターバックスだと思うのだけど、いずれもスタッフのほとんど非正規で、この2つの接客業務を高めているのは、徹底したブランド管理。 もちろん、教育・マニュアルの素晴らしさもあると思うけれども、それに加え、自分がディズニーやスターバックスのキャスト・スタッフであることが矜持となっている。

コンサル業務やリサーチ業務では、トッププロは、アップオアアウト(昇進か退職か)と呼ばれる厳しい世界。 身分保障なんてない。 だから、ものすごい働いて、成果を出している。



逆に、身分保障をした方がいい職種・業態は、何か。

ひとつは超長期のスパンで未知へチャレンジする仕事。 一部の研究者、特に理系研究者がそれに当たる。 ふたつめは、消防、警察、国防など高い公共性があり、民間での代替性が低い仕事。 みっつめは、自身の命の危険性が高い仕事。 重複するけど、消防、警察、国防など。



NTTも、JRも、高速道路のSAも、民営化してよくなったと話に聞くし、現在、官民で同様のサービスがあるものについても、郵便と宅配便、学校の先生と塾の先生など、僕の周りでも後者の方が評判がいい。

そして、残念ながら、僕の周りを見てみても、身分保障をされている方々が、そうでない人たちに比べ、切磋琢磨・自己研鑚に励んでいるようには見えない。 どちらかというと、外部圧力、つまり、競争があるところにいらっしゃる人たちの方が、主体的に専門性を高め、そうでない人たちはその立場に甘んじているように見受けられる。



豊橋のまちなか図書館が、市直営か民間委託などかについては、どんな図書館にしたいかということが決まってから考えることなので、現時点ではどちらとも言えないけれども、少なくとも、身分保障があれば専門性が高まるという考え方からは、脱却した方がいいと思う。

そういえば、前にこんな記事も書きました。
 - プロフェッショナル公務員論 - 愛知豊橋・長坂尚登のblog http://nagasakanaoto.blog.jp/140813.html
では。