選挙が終わりました。 前回の総選挙、小選挙区での「死票」は56.0%で、今回もそれに近い死票が出そうです。

 - 死票率56%に上昇=民主は惨敗で8割超―衆院選【12衆院選】 http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-563468.html

この死票をできるだけなくすため、より民意を的確に反映するため、全国統一の比例代表制を唱える人もいます。
<1>民意が反映されること、<2>意思決定ができることという条件を満たすため、「一院制、定数100人、全国完全比例代表制、名簿拘束式(政党名を投票)」はどうだろうか。

全国完全比例代表制なので、①一票の格差は存在しないし、②死票も極めて少ない。
そして一院制で、定数100人ならば意思決定もしやすい。

 - もしも国会が100人の議員だったら - 地域づくりは楽しい~幸夢員・井上貴至の元気がでるブログ~ http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68035427.html
基本的に、僕もこの考え方に賛成です。 そこで、実際にこうなったら、どんなことが起こるか考えてみました。



小選挙区制になって、ひとつの大きなドラマが生まれやすくなりました。 大物政治家の敗北です。 今回の総選挙では、民主党代表の海江田さんが議席を失いました。 菅直人さんも、小選挙区では敗北しています。 ちなみに、このお二方は、前回の総選挙でも小選挙区では敗北しています(比例復活=通称、ゾンビ議員)。 また、民主党に政権交代した、前々回の総選挙では、海部俊樹元首相や、公明党の太田昭宏代表(当時)が落選しました。

各選挙区レベルで見れば、下剋上や番狂わせが起きやすくなりました。 これが、完全比例代表制になったら、どうなるか?

比例代表制というのは、原則、政党名を記入して投票する方法。 ということは、個人レベルでの敗北はなくなる。 だったら、党の立役者などのいわゆる大物が、いつまで経っても、比例順位の上の方に居座り続けることに。 そうなったら、議員の高齢化がますます進むことは必須。 あな。

予防策としては、政党がそれぞれの判断で、定年を設けること。 でも、そうしても、定年間際の年齢層が異様に厚い、例えば、議員の大半が60代のみとか、今以上に偏った年齢構成になるはず。 だから、若い人が議員になるとしたら、自らベンチャー政党を立ち上げて、始めは数議席からコツコツ勢力を拡大していく、となるでしょう。 継続性をもたせるなら、それを、定年40歳とかにするとか。 なにこのリクルート感。



また別の見方として、もし完全比例代表制になれば、政党がより会社的な組織になるかと。 元みんなの党の松田公太さんがブログで、国会議員をフランチャイズのオーナー=看板を借りている個人事業主に例えていて、なるほどと思いました。 それがサラリーマンになります。 なぜなら、個人ではなく、政党(組織)で見られ、投票されるから。

更にこれが進むとどうなるか、「人」「人数」としての議員も必要なくなるのじゃないかと。 例えば、総選挙でA党が5000万票、B党が3000万票、C党が2000万票を獲得したなら、それをそのまま各政党の持ち票とすればいい。 そして、その得票数に応じて、人件費を含めた運営資金を政党へ出す。 その運営資金で何人の人を雇ってもいい。 例えば、同じ10億円でも、ある党は年収1000万円の優秀な人を100人、一方、別の党は、年収2000万円の超優秀な人を50人、とか。 その人たちで、各政党がそれぞれ、政策立案会社のようになる、みたいな。



定期的で健全な政権交代を目指した小選挙区制ですが、今回のように初めから政権交代の可能性ゼロでは、もうオワコン。
第1党の民主党も早々と今回は「政権奪取」はしないと白旗で、過半数の候補者も立てず。維新の党ほかと選挙協力、といっても小選挙区制度は「総理大臣候補」を掲げて選挙をするはずなのに、自民党と共産党以外はそもそも過半数取れる可能性がない(立候補者数的に)

 - 政権選択できない小選挙区選挙、意味無いじゃん。 - 秋元祥治(岐阜・G-net・OKa-Biz)の活動日記 http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51459116.html
共産党の躍進を見ると、将来の二大政党制は、自民と共産になるんじゃないかと、本気で思ってしまいます。 今回もちゃんとほぼ全ての選挙区で候補者を立てたし。 それだけで、供託金300万 x 300人 = 9億だぜ。 しかも、政党助成金をもらっていない。

すごいぜ共産党・・・

では !