さて、明日から、まちなか図書館の「基本的な考え方」についての意見交換会が始まります。

 - 「まちなか図書館」の意見交換会(12/3,7,10,13)が、またあるよ! - 愛知豊橋・長坂尚登のblog http://nagasakanaoto.blog.jp/141120.html
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全70枚の資料ですが、最も重要な部分はここ。
基 本 理 念 
世界を広げる“知と交流の創造拠点”

 私たちは、情報を吸収して新たな「知」を創造し、人生を切り開き、選択し、世界を生きています。そして、本や人には、多くの「知」が詰まっています。まちなか図書館は、情報や「知」に触れ、人と出会い「交流」し、自らの世界を広げ創造する人を育て、まちづくりに繋げる拠点とします。 - 32ページ
「世界を広げる“知と交流の創造拠点”」 というフレーズついては、ほとんど何も言っていないのと同じなので、評価不能。 むしろ、気になるのは、その下の3行。



まず、この3行は、下記の前後半に分けられる。(だんだん国語の授業みたい・・・)
  • 私たちは、情報を吸収して新たな「知」を創造し、人生を切り開き、選択し、世界を生きています。そして、本や人には、多くの「知」が詰まっています。
  • まちなか図書館は、情報や「知」に触れ、人と出会い「交流」し、自らの世界を広げ創造する人を育て、まちづくりに繋げる拠点とします。
前半は、当たり前のことが書いてあるだけなので、一旦スルー。 重要なのは、後半。 下記の2通りの解釈ができる。
まちなか図書館は、
  • 情報や「知」に触れ、
  • 人と出会い「交流」し、
  • 自らの世界を広げ創造する人を育て、(その人を)まちづくりに繋げる
拠点とします。
つまり、"まちなか図書館は、知に触れ、交流し、人を育て、まちづくりに繋げる、拠点" という解釈。

もう一つは、
まちなか図書館は、
情報や「知」に触れ、(&)人と出会い「交流」し、
 ↓(その結果)↓
自らの世界を広げ創造する人を育て、(その人を)まちづくりに繋げる
拠点とします。
つまり、 "まちなか図書館は、(知に触れ、交流した結果)人を育て、まちづくりに繋げる拠点" という解釈。 



一体、どちらだろう。 ここで効いていくるのが、一旦スルーした、前半の文。 
私たちは、情報を吸収して新たな「知」を創造し、人生を切り開き、選択し、世界を生きています。
これは、
私たちは、情報を吸収して
 ↓(その結果)↓
新たな「知」を創造し、
 ↓(その結果)↓
人生を切り開き、選択し、世界を生きています。
と読むのが一般的なので、これに基づくと、後半部分の解釈も、
まちなか図書館は、
情報や「知」に触れ、(&)人と出会い「交流」し、
 ↓(その結果)↓
自らの世界を広げ創造する人を育て、(その人を)まちづくりに繋げる
拠点とします。
が妥当ではないのかと。



実はこれ、かなり画期的なことを言っている。 通常、図書館は、教育委員会に属する教育施設。 しかし、ここでは、まちづくりに繋げる拠点、としている。 更に画期的なのは、「世界を広げ創造する人を育て」ると、地元の人自らが、「こんなところにいてはもったいない。」と、人を地元から羽ばたかせてしまう(=流出させてしまう)ところを、「まちづくりに繋げる(=地元に留める)」としていること。

残念なのは、これが一番最初のフレーズ、「世界を広げる“知と交流の創造拠点”」 に全く反映されていないこと。 もし、きちんと反映させるなら、例えば、
新しい知と世界を創造する人を育て、まちづくりに繋げる拠点
僕はこちらの方が、はるかにいいなぁ。

では!


「基本的な考え方」の全文PDFは、こちらからダウンロードできます。
 - 中心市街地再開発におけるまちなか図書館(仮称)整備の考え方について