ブログから取材をいただき、今朝の中日新聞に掲載いただきました。
140705中日A4fb
※本記事は、執筆者であり豊橋総局長(当時)の間野丈夫氏ご確認の上、掲載しています。
豊橋まつり ディズニーの功罪

 激しい雨が路面で跳ねていた。パレード参加団体の集合場所に車で向かうと、雨がっぱをかぶった大勢の家族連れが、列をなしてこちらに歩いてくる。ディズニーのパレードが終わったのだ。雨を嫌い、早々に家路についたのだろう。

 昨年10月20日。豊橋まつり2日目は大雨だった。中日新聞のフォトメイツも参加した一般市民のパレードは、ディズニーが終わってからの出発だ。お目当てのミッキーが去った後の、人影もまばらな商店街。それでもパレード参加者は笑顔で練り歩いた。

 今年も豊橋まつりにミッキーがやってくる。市が今月2日に発表した計画によると、豊橋駅南の「穂の国とよはし芸術劇場」で2日間計8回のショーをし、抽選で計5,200人が無料で見られるという。

 ディズニーが初めてまつりに参加したのは一昨年。市民の隊列に交じり、パレード車2台に乗ったキャラクター7体が愛嬌を振りまいた。市によると、沿道には前年を3万5千人上回る10万人の観衆が詰め掛けた。

「参加は、ディズニーから声を掛けてきた。前年に営業担当者が見学に来て、祭りの規模や安全面などを調べた」と市観光振興課の担当者は話す。

 東京ディズニーリゾートは地方の祭りに積極的に参加し、営業活動を展開している。運営会社のオリエンタルランドによると、昨年は開園30週年を記念し、豊橋や名古屋、津、岐阜県多治見、金沢、静岡、浜松市など全国32か所の祭りに参加。今年も全国10か所を訪れるという。

 ディズニーが来るのはうれしい。だが、違和感を抱く人も少なくない。

「みんながミッキー目当てに来るなら、祭りの参加者はやる気をなくす。クオリティーに圧倒的な差があるから」。内閣官房の「地域活性化伝道師」として豊橋で商店街の魅力づくりに取り組む長坂尚登さん(31)は心配する。

 60回記念となる今年のまつりは、メーンの総踊りを1万人から2万人に増やす計画で、市は前年より1400万円多い6200万円を補助する。ディズニーの費用は「契約により公表できない」(観光振興課)というが、長坂さんは「その費用で、例えば小学校区ごとに選ぶまつりクイーンの女性をもっと美しく装いたい。クイーンは市民に愛され、関心がある」と言う。

 オリエンタルランドの2014年3月期の売上高は、過去最高の4735億円。豊橋市の一般会計予算の4倍近い。巨大資本による洗練されたキャラクターに負けない、泥臭くて愛らしいまつりの出し物を地域の人たちと一緒に考えたい。 (豊橋総局長・間野丈夫)
正直、よくここまで書いてくれた、と少し感動すらしています。

この記事を書かれた、豊橋総局長の間野さんは、岐阜のご出身で、豊橋には約2年ほど前に赴任された外の方です。 何よりこの方、豊橋まつり振興会のメンバー(理事?)も務めていらっしゃいます。 つまり、中の人。 この二つの「外の方」と「中の人」を知った上で、改めて結語の「地域の人たちと一緒に考えたい」を読むと、その言葉の味わいが変わってきます。

そして、中の人である、間野さんご自身も、豊橋まつりを憂い、地元の大メディアである中日新聞にて、このような問題提起がなされたことは、とても意義深いものです。 一方で、外の方がここまで真剣に考えてくださり、本当にありがたい。



「クイーンの女性をもっと美しく装いたい」について、補足。

クイーンというのは、パレードに華を添える、各小学校区から選ばれた妙齢の女性たちで、昨年は51人で、第54代目。 東京にいるときでさえ、「今年のうちの校区はすごいぞ」 「あー、うちの本気はこんなもんじゃないんだ」 「うわ、この校区やばい」と友人らと話が盛り上がっていました。

「選ばれ」といえば、聞こえがいいですが、実態は各校区の自治会長さんが、「ほい、今年はあそこの子が何歳だったな、まだやっとらんよな。お願いにいかなきゃ」 「だめだ断られた。そういえば、あそこの子が・・・」と涙ぐましい努力で、集めてきた女性たちなのです(と聞いています)。

そんな必死の苦労で、来ていただいた女性たちの扱いが、まーひどい。 ドイヒー。
さて、こちらが昨年、平成25年度の第54代クイーンのみなさまです!
140705_th131001c_02
140705_th131001c_01
 - (PDF)広報とよはし平成25年10月1日号 http://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/10333/th131001c.pdf 

この広報とよはし、市内全世帯配付で10万部以上刷られる、豊橋市内随一のメディアです。 両親も見ます、おじいちゃんおばあちゃんも見ます、同級生も見ます、同級生の親まで見ます。 そんなところに、こんな適当な素人写真を載せられて本当にかわいそう。

彼女たちは(たぶん)ボランティアで、パレードまでにダンスを覚え、豊橋まつりに関わるのですが、せめて写真くらい、プロのメイクとカメラマンに依頼して、成人式より綺麗な、お見合い写真に使いたくなるほど一生に一度の写真で、クイーンであったことを記念にしてほしいと思うわけです。 まとめてやれば、メイク・写真合わせても一人2万円、50人でも100万円ほどの予算でできるでしょう。 そうすれば、きっとクイーンのやり手も増え、クオリティーも上がるし、自治会長さんらも、クイーン探しが楽になると思うのです。

十年後、「お母さんクイーンやってたんだよ、ほら」と子どもに自慢できる写真のひとつも進呈してあげましょうよ。

では!

関連記事