さて、5回に渡った、猪谷さん講演会のまとめも、いよいよこの記事でラストです!
進行は引き続き、つながる図書館LINKRARY館長の大場さんです! では続きをどうぞ!

■ディスカッション(後半): 
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ゾーニング・ターゲットについて
  • 大場(以下、大): 会場のみなさん、「こんな図書館が欲しい」というのはありますか? お風呂に入りながら本読みたい「温泉図書館」とか、ドリームでも。
  •  -  - 来場者(以下、来): 学生などが勉強している席が埋まっちゃって、がっつり調べ物をしたいときに席がなかったりする。 図書館に泊まり込みで調べ物ができたりしたらよい。
  • 大: おもしろいですね。 今のに乗っけて、ゾーニングについて。 先ほど、武蔵野プレイスの話が出てきましたが、建築のハードや時間などソフトも含めて、他にゾーニングの成功や失敗例を教えてほしいです。
  •  - 猪谷さん(以下、猪): 成功例では、千代田図書館では母親利用者のための託児サービスを行っています。 子連れで静かな場所に連れて行けないママ向けのサービスで、1時間だけ500円で子どもを預けている間に調べ物なんかができます。 失敗例もたくさんあります。 色んな人向けのサービスにすると、誰にも使いにくいサービスになってしまう。 各クラスターに細やかに対応しているところはとても使いやすい空間になっています。
  • 大: 自治体の人は、色んな人の意見を聞こうとするから困るのではないか?
  •  - 猪: 手間も時間もかかるけれど、一つ一つ意見を取り入れて解決すればよいと思います。 そうすれば、使いやすくなることは間違いありません。
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カフェについて

  • 大: ところで猪谷さん、最近、図書館カフェが流行っていますよね? 壁で分けるのでなく、シームレスに隣にそのままある感じでおもしろい。
  •  - 猪: CCCの人の話では、図書館にカフェがほしいという意見が多いそうです。 既に、いろんな図書館に様々な形態のカフェが存在しますが、持ち込みの有無や、話し声、匂いといったところどころの課題をどうやって解決するのか考えて行く必要があります。
  • 長坂(以下、長): 話題になっている図書館の共通点を考えてみると、小布施や海士町、武雄や千代田区、鳥取県などイケてる首長の存在に当たったのですが、そのあたりどう思いますか? それともうひとつ、館長の公募については?
  •  - 猪: 図書館のおかれた状況、要するに人に依ります。 おもしろい図書館に取材に行くと、間違いなく中の人もおもしろいです。 首長が図書館に理解があるのが一番早くものごとが運びやすいのは確か。 但し逆もあるので図書館や市民が、自分たちの考えを持っているのがよい。 館長の公募は一概によいもわるいも言えないけど、広く人材をとること自体はよい。 経験のない方を公募館長に抜擢するのは、経験の有無よりも個人の力量や性格が成功を左右する、要するに人に依る。
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図書館における本について

  •  -  - 来: 猪谷さん、大場さん、図書館の中で本はどのようなものですか?
  •  - 猪: 本は当たり前のように図書館にあるもの。 図書館は、図書館の基本的活動(本があり、本を読めて、本を借りられる)が行うことが出来るのが大前提で、今日の話は、今までの方々がつくりあげてきた枠組みが前提で考えています。 今、情報は紙だけではなく、ネット上でどのような動きがあるのかも図書館が把握していないと、孤立するおそれがある。 情報にアンテナをはる必要があり、今までの基本も大切にするべき。
  • 大: 僕は、本自体が存在する事には重きを置いておらず、本を通して何かと繋がる事が出来ればと思っています。 本を通して、人が見えるのが楽しく、本のイベントなどをしています。
知のセーフティネットについて
  •  -  - 来: 図書館のそもそもの役割は、知る権利の保障、知のセーフティネット。 それについてどう思いますか?
  •  - 猪: 日本でも都市部を中心に貧困が拡がっています。 知る権利のセーフティネットは図書館。 もちろんそこは忘れていないですし、そこだけは大切にしてほしいと思います。
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以上です! 本当に、興味深いお話でした。 猪谷さん、ありがとうございます! 改めて、心の中で大きな拍手!!



一点、猪谷さんに講演をお願いした私から補足をします。 今回、「日本各地の魅力的な図書館について話をしてほしい。来場者をワクワクさせてほしい」、そして、「ディスカッションでも、図書館とはなんぞや、というそもそも論はあまりしなくない。 どうしたら魅力的な図書館ができるかという話をしたい」とお願いしました。

それを受けてのお話だったので、最後に「図書館における本」「知のセーフティネット」など、図書館における基礎基本をないがしろにしているのではないかと、猪谷さんが思われ、そのような質問が出てきました。 これは一重に、私からの講演依頼の趣旨に沿って、お話くださっただけで、猪谷さんがそういう方ではないことを、お伝えしておきます。

講演を聞いていた人には猪谷さんのお人柄からちゃんと伝わっていると思いますが、私の拙いまとめでは、同じように誤解をする方がいるのではないかと懸念して、念のため。

では!