かねがふち

 昔,石巻山のある寺に,大変美男の青年僧がいた。豊川(とよがわ)の近くのさる大家の姫君が,この僧に恋をし,会ってほしいといい寄った。困り果てた僧は一計をめぐらし,「大雨の降る日に三明寺(豊川市馬場町)の釣り鐘を外し,引っ張って来たら会う」といった。姫は喜び,大雨の降る日に,三明寺の釣り鐘を外すと,それを引きずり,想いを寄せる青年僧のもとへと向かい,豊川を渡りにかかった。豊川の流れは激しく,やがて深みに入ったまま姫も釣り鐘も,再び地上に現れはしなかったという。姫が川を渡ろうと入っていった所が「鐘ヶ淵」という所で,それ以来,大雨が降ると鐘ヶ淵付近では,石巻山にたどり着けなかった姫が,物悲しく釣り鐘を引きずり歩くような,ガランガランという大きな音がしたという。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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