きんじのしいのき

 飯村(いむれ)の茶屋(豊橋市飯村町茶屋)に金次という長者の屋敷があった。その庭には一本の大きな椎の木があり,毎年たくさんの実をつけた。金次は,村人たちには実を拾わせず一人占めしてきた。ある日,旅の僧が通りかかり,実を分けてほしいと頼んだが,与えようとしなかった。僧は「花は咲いても実はなるな」と大声を発して去った。翌年秋,椎の木の実はならなかった。金次はがっかりして病に臥してしまった。金次の夢に僧が現れ,「この世はお互い助け合い,分かち合う心がなければ人の心は荒れてしまう,あなたは人に施す心がなかった」といった。金次は心から悔い改めた。翌朝椎の木のところに行ってみると,椎の木の根元に「花も咲け,実もつけよ 弘法大師」と紙が張ってあった。その年からまた椎の木は沢山実をつけた。金次は皆に椎の実を分けて,人に喜んでもらううれしさを味わった。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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