ろうこたん

 いつのころか,吉田指笠(さしかさ)町(豊橋市新本町)に相撲(すまい)という珍しい名字の眼医者が住んでいた。ある晩遅く,一人の僧侶が来て「喜見寺の者だが,誤まって眼を突き,苦しいので何か良い薬をもらいたい」という。相撲は診察し,薬を与えたが,傷は相当にひどいものだった。翌朝,見舞い方々往診したところ,寺には怪我(けが)人などいないという。その日の午後のこと,喜見寺(豊橋市広小路)の和尚が境内を見回りしていると,竹薮(たけやぶ)の傍らに一匹の老狐が気持ちよさそうに居眠りをしていた。よく見ると片方の瞼(まぶた)に薬がべったりと塗られていた。和尚は,今朝,相撲が寺を訪ねてきたことの意味がわかった。

- -
豊橋市議の長坂です。
豊橋のことをお調べくださり、ありがとうございます。

このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
苦節5年半「豊橋百科事典」とうとうオープンデータ化! - 愛知豊橋市長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/210125.html 
豊橋百科事典については、下記の豊橋市サイトからもご覧いただけます。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/14682.htm 

では!