りゅうとうのまつ

 昔,岩屋観音堂(豊橋市大岩町)の裏に松の大木があった。枝は四方に伸び,天にも届くかと思われるほどであった。いつのころからか,この大木に,夕方になると灯(あか)りがつくのが遠くから見えた。ところが近寄ってみると,灯りは見えないのであった。この灯りは竜宮にいる竜王が観音様に供えたものであった。竜王の子どもが,ふとしたことから病気になった。病気は重くなるばかりで,困った竜王は,岩屋の観音さまに「どうか,この子の病気を治してください」とおすがりした。そして,毎晩,松の大木に灯りをつけ,一心にお祈りした。この一心が届いたのか,子どもの病気は治った。竜王は,それからも松の枝に灯りを点けてお礼をした。人々は,この松を「竜灯の松」というようになった。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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