りゅうのうろこ

 ある夜,美しい娘が全久院(豊橋市東郷町)を訪ねてきた。娘はひどく悩んでいる様子だったので,和尚は寺に招きいれ,お経を唱えてやった。すると,娘は夜ごと,寺に通ってくるようになり,長いお経を覚えてしまうころには,顔つきもずいぶん明るくなった。「そろそろ訳を打ち明けてはどうかね…」と和尚が促すと,娘は,「私は海倉淵(新城市一鍬田)に棲(す)む竜ですが,天に帰る決心がつかなくて悩んでおりました。おかげさまで,仏様の教えに触れ,悟りを開くことができました」と告げた。そして,瞬く間に竜に姿を変え,雷鳴豪雨とともに天高く昇っていった。その後には,金色に輝くうろこが落ちていた。和尚は竜がお礼に残していったものに違いないと思い,寺の宝物として大切にしたといわれている。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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