むろはつでんしょ

 牟呂発電所は,豊橋電燈株式会社が梅田川発電所の不安定供給を解消するために,明治29(1896)年4月に渥美郡牟呂村大西大海津(豊橋市牟呂町大海津)に設立した発電所である。当時,通水したばかりの牟呂用水を水源とした。水路の長さは約40m,幅約2.4m,落差3m(落差を得るため水車室を3mくらい掘り下げたといわれている)であったが,当初から火力併用で運営された。出力30kW,16燭光600燈で,当初の供給先は官公庁や歩兵第18聯隊が主であったという。その後,供給力の安定に伴って企業などの需要が増加したため,発電設備も漸次増設した。

 明治41(1908)年5月,作手村の見代(けんだい)発電所完工により,牟呂発電所は水力発電の運転を停止し,明治末に発電所は廃止となった。遺構として,牟呂用水を堰き止めた樋門(ひもん)(レンガ構築)がある。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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