だいぜんこよう

 大膳古窯は,豊橋市植田町の東西を谷にはさまれて伸びる段丘の北東向き斜面に築かれた,中世陶器・山茶碗(やまぢゃわん)の窯址群(かまあとぐん)である。最低でも8基の窯址があったと推定される。工場用地造成のための採土工事に先立ち,1・2号窯の2基の窯体および4か所の灰原(はいばら)が豊橋市教育委員会によって昭和40(1965)年に発掘調査された。

1・2号窯はともに半地下式の窖窯(あながま)で,窯体は作業スペースである前庭部,薪をたき炎をあげる燃焼室,製品を焼く焼成室,さらに煙を排出する煙道で構成される。燃焼室と焼成室との境界は火の勢いを強める目的で床面を1段高くし,空間を狭めている。また焼成室は平面形が舟形をしており,床面には製品を置くための馬蹄(ばてい)形焼台が配されていた。1号窯からは山茶碗の碗,小皿,陶錘(とうすい)が,2号窯からは山茶碗の碗,小皿,鉢類,壺類,陶錘が出土している。窯の操業期間はいずれも13世紀後葉~14世紀と考えられる。大膳古窯は,豊橋市南部の山茶碗窯の代表例といわれる。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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