よしだはりこめん

 吉田の張子面は,江戸末期吉田藩の下級武士の手内職に端を発するとされている。太田南畝(おおたなんぽ)(蜀山人)の「改元紀行」文中に「…童の弄(もてあそ)びもの多し,獅子の形,仮面の形,鄙(ひな)びたり」の記述があり,吉田宿で子どもの玩具として張子面が作られていたことがうかがえる。

 吉田張子面の創設者である豊田浩(1907~80)は,師匠なしで独創した「風車」と「張子面」で豊橋郷土玩具の名を全国に知らせた。昭和5(1930)年ごろより郷土玩具の制作を始め,独学で張子技法を研究し,同12(37)年に吉田張子面の技法を完成させた。

 安久美神戸神明社(豊橋市八町通三丁目)の赤鬼面,青鬼面,黒鬼面,天狗面,それに加えて薙刀(なぎなた),撞木(しゅもく)などもあり,さらに,菟足神社(宝飯郡小坂井町)の鍾馗面(しょうきめん),般若面(はんにゃめん),おかめ面,ひょっとこ面などもある。祭礼玩具として安久美神戸神明社,菟足神社,砥鹿神社(宝飯郡一宮町),稲荷神社(宝飯郡御津町),西光寺(豊橋市大手町)の一の酉(とり),二の酉で人々に愛玩(あいがん)され,経木細工の風車は日本三大風車の一つに挙げられる。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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