はつぼんだいせがき

 初盆大施餓鬼は,豊橋の各宗寺院(真宗を除く)で行われている。中でも豊橋市馬見塚町にある浄土宗専願寺で毎年行われている初盆大施餓鬼は東三河地方でも有名である。

 施餓鬼会は,春秋の彼岸会とともに仏教の代表的な行事の一つである。本来は悪道におちて飢餓に苦しんでいる餓鬼や,天災などで不慮の死をとげた無縁仏に飲食を施すという法会(ほうえ)であるが,現在は先祖の供養のために行われている法会である。

 明治初期に専願寺(せいがんじ)の信徒であった土倉(とくら)市平の書いた「専願寺縁起」によると,康安元(1361)年7月1日,南朝殉難の霊と三界万霊のために大施餓鬼会を行ったのが,初盆大施餓鬼会のはじまりであると記されている。

 専願寺は,もとは専求庵といい狸塚(まみづか)(吉田城付近)にあったが,牧野古白が永正2(1505)年,今橋城を築城するとき,現在の馬見塚に移った。文禄2(1593)年,悟真寺の岌感上人が隠居して専求庵に入り,大施餓鬼会を復活させたといわれている。

 初盆大施餓鬼会は,現在も毎年7月31日の夕方から翌8月1日にかけて夜を徹して勤修されている。初盆の家は宗派を問わず,豊橋市内はもちろんのこと,東三河各地や湖西方面からも追善供養に訪れている。

- -
豊橋市議の長坂です。
豊橋のことをお調べくださり、ありがとうございます。

このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
苦節5年半「豊橋百科事典」とうとうオープンデータ化! - 愛知豊橋市長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/210125.html 
豊橋百科事典については、下記の豊橋市サイトからもご覧いただけます。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/14682.htm 

では!