かに

 カニは,甲殻類十脚目の節足動物で,多くの種類があり,三河湾の干潟では,チゴガニ,コメツキガニ,イソガニ,ケフサイソガニ,ヒライソガニ,ヤマトオサガニなどいろいろな小型のカニが見られ,それぞれのカニは生息する場所が少しずつ違っている。

 チゴガニは,河口に近い砂泥の干潟に集団で生活し,白いはさみを上下に動かす1㎝ほどの小さなカニである。はさみの上下運動は雄の求愛行動といわれているが,チゴガニは雄・雌ともにはさみを動かす。豊川(とよがわ)や汐川干潟に流れ込む河川の河口で見ることができる。また,朝倉川が豊川と合流する場所の干潟でも見られる。潮の引いた干潟で,はさみを器用に使って砂泥をすくい口にいれ,砂泥に付いている小型の藻類や有機物を食べている。残った砂泥は砂団子として巣穴の周りに散らしている。

 チゴガニとよく似たコメツキガニは砂質の干潟に生息している。神野新田の船溜(ふなだまり)や佐奈川岸で見られる。

 ケフサイソガニやイソガニは,石ころの海岸で見られる小型のカニで,巣穴は掘らず,岩や貝殻の下に隠れて生活している。雄のカニのはさみの付け根に房状の毛が生えているのがケフサイソガニで,はさみの根本に肉質の固まりがあるのがイソガニである。

 ヤマトオサガニは,泥を多く含んだ広域の干潟を好み,豊川の渡津橋付近に群れで穴を掘って生息している。潮が引くと,海水のたまった穴から,潜望鏡のような長い目を出し,回りの様子をうかがって,安全を確認してからゆっくりと姿を現す。潮が引くとまず巣穴の手入れを行う。巣穴にたまった泥を器用にかき出す。その後ではさみを使って有機物を含んだ干潟の泥を口に含み,有機物だけをこし取って食べる。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
苦節5年半「豊橋百科事典」とうとうオープンデータ化! - 愛知豊橋市長坂なおと のblog
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