しょこくこじょうのず

 「諸国古城之図」は広島市立中央図書館浅野文庫所蔵の城絵図群で,正式には「諸国当城古城之図」のうちの「諸国古城之図」である。その編成については,広島浅野家第7代藩主であった浅野重晟(しげあきら)の治世中(宝暦13年から寛政11年)に,藩主の軍学研究のために作成・調整されたといわれ,当城は作成時に城持大名の居城であった城を,古城は既に廃城となっていた城を主に示す。

 「諸国古城之図」は,採録城数177図,五畿七道に分類され,各図平均27.2×40.2㎝の料紙に彩色を施し描いている。注目すべきは全177図中三河国が56図あることで,これは全体の約3分の1にあたる。この大量採録の理由については明確にできないが,本図一点しか絵図が存在しない城も多く,三河地方の城館研究において大変重要な資料であることは間違いない。

 豊橋市では,月谷(わちがや)・五本松・下条・成沢・和田・和田村古屋敷・二連木・草間・大津の9図がある。このうち五本松には萩平城も描かれている。また,成沢は旧成沢村(豊橋市石巻小野田町)にあったとされる所在不明の城の絵図といわれていたが,近年の研究で豊川市の勝山城であることが明らかになった。なお,吉田城は「諸国当城之図」に採録されている。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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