ふたがわしゅくほんじんやどちょう

 「二川宿本陣宿帳」33冊は,昭和41(1966)年1月17日,愛知県有形民俗資料に指定された。付属資料として頂戴御金割賦帳と本陣地図も同時に指定されている。

 「二川宿本陣宿帳」は,馬場家が本陣を始めた文化4(1807)年から慶応2(1866)年までの60年間の本陣利用者およびその付帯事項を記録したもので,大福帳型の帳面33冊からなり,木製の箱に収められている。昭和61(1986)年5月6日,馬場家より豊橋市へ寄付され,二川宿本陣資料館で収蔵している。

 33冊の帳面は,「御休泊早見」,「御通行日記」,「御休泊記録」の3種類に分けられている。「御休泊早見」は,年代順に日付と利用者の氏名,休泊の別が記されている。「御通行日記」は文政7(1824)年より安政6(1859)年までの36年間に二川宿を通行した大名などの氏名が記されている。「御休泊記録」は御宮公家・御寺院・御公儀衆・御三家・諸大名に分類され,諸大名はさらに“いろは”順に分けて記載されている。

 記載内容は,日付の後に姓名が大書され,その下に吉田・浜松というように前後の宿泊地が付され,その後に休泊の別,頂戴金の額,本陣に休泊する供の人数と食事代,献上物の有無などが記載されている。大名などが宿泊した場合にはさらに詳しく,先触れの時期,関札役人や宿割役人の動向,川留(かわどめ)などによる宿泊日変更,高張提灯(ちょうちん)や幔幕(まんまく)の設置場所,座敷へ出した行灯(あんどん)・火鉢・屏風の数などが記されているほか,例年の利用とは違う特記事項なども細かく書き込まれており,備忘録としての性格を持つことが分かる。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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